
【後編】新しい情シスがAI協働時代の人材戦略を支える~協創型組織へのシフト
AI協働時代に向けた企業変革は、もはやテクノロジー導入の課題ではない。問われているのは、AIとともに働く「組織と人材」をどう再設計し、企業価値へと転換できるかだ。DX時代に日本企業が陥った“内向きの価値創出・個別最適”を繰り返さないためには、AI戦略室や新しい情シスが協創型チームとして、企業変革の推進役となる必要がある。

2002年国内大手生命保険グループのIT事業会社に入社後、Big4メンバーファームの監査法人を経て、2013年 アクセンチュアに入社。数多くのエンタープライズ企業におけるITインフラ変革のプロジェクトに参画し、プラクティスメンバー、プロジェクトマネジメント等に従事。2017年には同ファームにおけるサイバーセキュリティ事業立ち上げメンバーとして、デジタルアイデンティティ領域の初期事業拡大に貢献した。その後、2019年に日本マイクロソフトへ入社。同社の小売流通インダストリにおける戦略的アカウントの技術戦略リードとして、AIやデジタル基盤を活用した顧客企業の組織変革を支援。株式会社Rubicon9ではIT事業会社向けの支援をリード。

AI協働時代に向けた企業変革は、もはやテクノロジー導入の課題ではない。問われているのは、AIとともに働く「組織と人材」をどう再設計し、企業価値へと転換できるかだ。DX時代に日本企業が陥った“内向きの価値創出・個別最適”を繰り返さないためには、AI戦略室や新しい情シスが協創型チームとして、企業変革の推進役となる必要がある。

自律的に判断・行動するAI Agentが台頭する今、企業は「人が担うべき仕事」を再定義する局面にある。 本稿では、AIと人が協働する時代に向けた変革の鍵として、「人材ポートフォリオ戦略の再設計」に焦点を当てる。AIによる業務代替で生まれる人的資本の余剰を、企業価値の源泉となる活動に再投資できるか──それが、AI協働時代における企業競争力を決める。